コロナ禍を契機にオンライン産業医面談が普及し、テレワーク社員や遠方拠点の従業員との面談に欠かせないツールとなりました。しかし「便利だから」と全てをオンラインに切り替えることには注意が必要です。対面との特性を理解した上での使い分けが、面談の質を守ります。
オンライン面談のメリットと活用できる場面
最大のメリットは、アクセスのしやすさです。本社から離れた拠点の社員が時間をかけずに面談を受けられる利点は大きいです。
厚生労働省も一定の要件を満たせばオンラインによる産業医面談を認めています。特に有効なのは、軽度の体調不良の経過観察、ストレスチェック後のフォローアップ、復職後の定期面談などです。移動時間なしに実施できるため、面談の継続率が向上します。
オンライン面談の限界——対面が必要な場面
一方で、表情・体臭・姿勢など、画面越しでは読み取れない「非言語情報」は、精神科医・産業医の診察において重要な判断材料です。
重篤なメンタル不調が疑われる場合や、就業制限・復職判定を行う場合は、対面での面談が強く推奨されます。「手軽だから全部オンラインで」という判断は、深刻なリスクの見逃しにつながる可能性があります。
より良いオンライン面談のための工夫
質を高めるためには工夫が必要です。事前にアンケートを送り面談の深度を上げる、静かな個室での参加を促しプライバシーを確保する、などが効果的です。
産業医側も、画面越しでも「圧迫感のない」聞き方を意識することが重要です。「この社員はオンラインで大丈夫か、対面が必要か」を産業医・人事が連携して判断する体制が、最も大切なセーフガードです。