「メンタルヘルスケアはまず管理職から」——そう言われる中、管理職自身が誰にも助けを求められずに疲弊していることは、あまり語られません。部下のラインケアを担いながら、上層部からのプレッシャーにも挟まれる中間管理職は、組織の中で最もバーンアウト(燃え尽き症候群)リスクが高い存在のひとつです。
管理職が陥りやすい「燃え尽き」のパターン
プレイングマネージャーとして自分の業務もこなしながら、部下の相談にも応じ、上司への報告義務も果たす——この三重の役割は、長期間にわたる慢性的なストレスを生みます。「自分が我慢すれば回る」という責任感の強さが、不調を隠す方向に働きます。
「最近眠れていない」「朝が怖くなってきた」「感情が動かなくなった」——これらは管理職のバーンアウトのサインです。管理職は「強くあるべき」という役割期待から、弱音を吐けず、うつ病が重症化するまで放置してしまいがちです。
組織として管理職を守るために
管理職のメンタルヘルスを守るためには、経営層が「管理職も保護の対象」として明示することが出発点です。ストレスチェックの結果を管理職別に集計・分析し、高ストレスが集中する職場には速やかに介入する仕組みが必要です。
産業医面談では、管理職には「どうサポートしているか」ではなく「あなた自身はどうですか?」という問いかけが重要です。管理職同士のピアサポートグループや、外部EAP(従業員支援プログラム)の活用も有効な選択肢です。
「強い人」ほど見えにくいSOSに気づく
管理職のSOSは「部下の不調」という形で現れることがあります。管理職が疲弊すれば、そのしわ寄せは部下のチーム全体に及びます。経営層が管理職の状態を定期的に確認し、必要に応じてマネジメント負荷を軽減する人事施策をとることが、組織全体の健康を守ることにつながります。
まとめ
管理職のメンタルヘルスは、組織全体のパフォーマンスと直結しています。ケアする役割を担う人が、自分自身もケアされる仕組みを整えることが、持続可能な職場づくりの核心です。